リエゾンの音の変化とは、舌の流水の結果と説明しました。この「詰まる音」の後の音の変化はその最たるものです。発音しやすいように、発音しやすいように、兎に角自分が楽にしたいという米国人の自己中心的な言語学発展の産物と捉えましょう。では、例文を見てみましょう。
「Give me a heads-up if you know about any interesting ones, okay?」
学校で学んだ発音は「ギブミー」ですが、v の発音の後に m の音は発音しにくい為、v の音は詰まり、カタカナ標記では「ギンミ」と変化します。
「But there was someone who didn’t think so.」
「someone」も同じような変化をしていきます。mの音の後のwが発音しにくい為、wの音が詰まり「サマン/サモン」といった発音になります。
「Miss Asahina, you look like you just found out you didn’t get accepted into college, or like someone who’s lost her job the day after buying her dream-house.」
「サムワン」ではなく、「サマン/サモン」という表現の方が相応しい発音です。ネイティブは特に意識してそう発音しているわけでなく、舌の動きを楽にしようという所作が自然にこのような微妙な発音に仕上げているのです。
「Yuki, give me your glasses.」
教科書どおりにネイティブが発音しないのは「しないだけの理由」があります。ネイティブの気持ちになり、彼らが何故このように崩して発音するのかという気持ちを「知識レベルで知っておく」だけでも、彼らと話す際にかなり有益になることは言うまでもないでしょう。学校では教えてくれません。自衛努力で身につけていきましょう。