「N」を中心とした「T/D」の絡みは、音の変化が顕著に現れます。
「N」の後ろにある「T/D」は、N化するような変化を伴い、
「N」の前に来る「T/D」は、今回の事例のように「消失」する変化を伴います。
「But we are certain that it was Miss Suzumiya who closed the access to the past.」
例文の「certain」の発音記号は[sˈɚːtn]であり、今回のルール「Nの直前のT」に該当します。Tが消え、間だけが残るように聞こえます。Tを口から空気を抜かずにそのまま次のnの音に移るので、鼻の中に籠ったような音になります。カタカナ標記で表現すると、[sˈɚːn](サァーン)という発音となります。
「After being showered from behind by Haruhi’s aura of unpleasantness all day, I fled to the safety of the clubroom, much like a rat running from a brush-fire.」
難しい単語になりますが、「unpleasantness」の「t」の発音は打ち消されてしまっています。これも、後続に続く「n」の発音のため「t」が省略される形となっています。
次に「N」の前の「D」が消失する代表例、「wouldn’t」系を紹介します。
「She told me that she wouldn’t mind it.」
この「wouldn’t」は、
①語尾の破裂音は省略され
②「n」の直前の「d」が消失し、
カタカナ標記するならば、「ウウn」という標記になります。「n」は歯の裏に舌をつけて詰まるようなンを意識しましょう。
「I couldn’t believe what I was seeing yesterday–a couple of bunny girls hanging out by the school’s main gate!」
「couldn’t」の表現も、nの直前dが消失し、語末のtの省略され、発音は「クウn」となります。
「I mean, shouldn’t important stuff like that be done face-to-face, not phone-to-phone.」
これ例では、「shouldn’t」は、「シュウn」といった発音。
「I can’t believe I didn’t realize it before.」
最後の例は「didn’t」です。中学英語では「ディディント」と学びましたが、実戦では「ディn」と発音します。