舌を休めるネイティブのルールその③の紹介です。

①同じ子音が並ぶ場合 (前の子音が省略)
②破裂音が並ぶ場合 (前の子音が省略)
③nの後ろにb、p、mが並ぶ場合(nがm化される)

このパターンは連続する単語の前後の並びが、「n」+「b/p/m」だった場合、「n」が「m」化するルールです。まずは例文で早速見てみましょう。

「…Whispered in my ear, which felt pretty good if I may say so.」

この変化の場合「in」の「n」の発音が消失し、後続の「m」の発音に飲み込まれます。

「in my」⇒「i’ mmy」

日本人は、「n」の発音が苦手で、上歯の裏に舌をつけて鼻から息を抜く「ン」の発音を咄嗟に出来ず「m」で代用する傾向があり、この変化は非常にナチュラルに受け入れられるかと思いますが、知識レベルでこの連続の場合は「n」が省略されているということを知っておくべきでしょう。

「And I can bet money on this.」

canがcanに聞こえないこの変化には、微妙に後ろの「bet」の「b」が影響を及ぼしているようです。

「can bet」⇒「cam bet」

canの肯定系は、機能語として弱形で発音されるので、ここでは

cam [km] (クム)

という前提で聞き取ったほうが自然に耳に入るでしょう。

 

『OK、わかった。「③nの後ろにb、p、mが並ぶ場合(nがm化される)」のルールは理解した』と学んだ学習者に更にだまし討ちをかけるようなルールが存在します。それが、

③´「ntの後ろにb、p、mが並ぶ場合(tの音が落ち、nがm化される)」

というルールです。これは「ntのtの脱落」ルールとの混合技と考えていいでしょう。こん畜生、例文を見てみましょう。

「So we changed it at the last minute to “Spreading Cheer to Our Student Buddy Brigade.”」

「Student Buddy」の「student」の最後のtが脱落し、その前の「n」と「Buddy」の「b」が化学反応を起こし、「Studem Buddy」の完成です。もう1つ見ておきましょう。頻出の「can’t」の「cam化」です。

「These two can’t be that bored, can they?」

なかなか業深い変化を見せてくれます。「can’t」の「t」が脱落し、語末に繰り上げされた「n」と次の単語の冒頭の「b」と変化し、「can’t」が「cam」と発音されます。あとは、「canとcan’tの聞き分け」ルールで説明したルールを適用して、否定か肯定かを聞き分けます。

★ 肯定: cam [km] (クム)

★ 否定: cam [kˈæm」 (ケェアム)

どうでしょう。なかなか業深いとは思いませんか。この国は、こんなルールを学校は教えずに、我々をグローバル競争の前線へ送り込もうとしているのです。支給された銃が模造品で、一生懸命前線で空砲を撃っているようなものです。知れば知るほど英語は奥深く、日本人が英語が出来ない理由がこの国の教育体系にあることに気付かされるルールでした。

 

 

 

 

 

 

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