アクセントのない単語の中にある「t/d/th/k/p」は消えることが多いです。その中でも特に「-ly」でおわる副詞の直前の「t/d」に関しては顕著に消えることが多いです。

舌の流水から鑑みるに、前歯の後ろに舌を配置する「t/d」と、副詞である一番の主張どころである末尾の「-ly」[i]を天秤にかけると、末尾の方が強調すべき事情と、舌の省略を考えると前段の「t/d」が省略されてしまう事情は、何となくわかるような気もします。とりあえず、論より証拠。例文から確認していきましょう。

「The three of them, each for their own reasons, mind you, are currently focused on Haruhi Suzumiya.」

・currently [kɝ́əntli] (カレントリー) ⇒ curren(t)ly [kɝ́ən(t)li] (カレンッリー)

中学英語では、currently [kɝ́əntli](カレントリー)と先生から学びましたが、彼奴らが日常で発する言葉はcurren(t)ly [kɝ́ən(t)li](カレンッリー)に近い発音です。冒頭に解説したとおり、副詞を強調するが故に直前の「t/d」の発音を舌で弾く程度に省略するが故に、(カレンッリー)的な省略英語になるわけです。この「-ly」の直前に「t/d」が来る副詞は案外多いです。がんがん例文を見ていきましょう。

「The gap between dimensions, separate from the world we know, completely closed space.」

・completely [kəmplíːtli] (コンプリートリ) ⇒ comple(te)ly [kəmplíː(t)li] (コンプリーッリ)

ほらね。今まで勉強してきた、暗記してきた、暗唱してきた基礎が、実践ではまったく違っていることに気がつかされるでしょう。でも、それは話者が気まぐれで変化させているわけでなく、あるルールに基づいて必然的に変化をさせていることを学校では教えてくれません。文部省のカリキュラムに乗っておりませんので、英語の教師を恨んではいけませんよ。

「Good. That’ll make my side of things easier because that’s definitely the case.」

・definitely [déf(ə)nətli] (デフィナトリー) ⇒ defini(te)ly [déf(ə)nə(tl)i] (デフィナリー)

「I already know exactly what I wanna talk to her about first.」

・exactly [ɪgzˈæktli] (イグザクトリー) ⇒ exac(t)ly [ɪgzˈæk(t)li] (イグザッリー)

この例文では綺麗に変化しています。調子に乗って、よく「いくざくとりぃ」と厚顔無恥に放つ日本人は多いですが、正しくは「イグザッリー」です。煮えたぎった味噌汁で顔を洗ってから出直すことにしましょう。

 

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