日本語は否定語が最後に来るので、最後まで聞き切らないと理解できない言語とよく言われますが、あいつらの「can」の発音に関しても、大概にせいと言いたくなります。カタカナで書くと「can」も「can’t」も、あいつらの発音は「キャン」です。どうせいと。では、見てみましょう。
「Okay. Asking somebody how long they believed in Santa Claus is so stupid, you can’t even consider that topic suitable for idle conversation.」
中学校で学んだ時は、「can’t」は「キャント」でしたが、例文をどう聞いても「キャン」としか聞こえません。中学校では、「can」も「キャン」と習いましたが、肯定も否定も「キャン」です。僕たち、どうすればいいんでしょうか?学校の先生は教えてくれません。だって、先生もわかっていないんですもの。
では、自助努力で解決して行きましょう。
★can’t [kæn] : 大きく、ゆっくり発音[キェアン]。 消えたtの間も残る。(英国英語だと[カァン]のように響く)
★can [kən] [kn] : [ クン ]という感じで、弱く、素早く発音される。
それらの違いを見てみましょう。
「So everyone can hear you.」
「No matter how much I try to talk to her I can’t get Haruhi to answer any of my questions.」
肯定でのcanも「キャン」と発音されていますが、後続の「hear」との間はありません。母音も曖昧母音の[ə]を使われており、①スピード、②間、③母音の3種類の差で、「肯定」か「否定」かなのは一目瞭然というわけですが、非英語圏の英語学習者にとっては、そういった知識がない限り、カタカナ英語では「キャン」は「キャン」です。これはもう耳から耳血が出るまで、ひたすら反復で聞き分けるしかありません。
「Well, I don’t think we can deny the distinct possibility that the world we’re in now was freshly created by her last night.」
一方、弱形のcan [kn](クン)の発音時の「can」は、聞き間違えるというレベルどころか、聞き取ることしか出来ないぐらい、文の中に溶け込んでしまいます。これが頻出及び重要用語の「can」の振る舞いです。
ポイントは、否定系は「強く、ゆっくり」発音される。もし肯定系で「肯定」自体を強調したい場合は「can」をゆっくり発音するのでなく、その後の動詞を「強く、ゆっくり」発音することにより「肯定」自体を強調する。
まず「キャン」らしき単語が聞き取れたら、まず「否定」であることを前提に脳で処理し、それが「肯定」なのかどうかを、①スピード、②間、③母音の3種類の差で「肯定」の「キャン」に置き換えるかどうかを、パブロフの犬の条件反射のように鼓膜に覚えさせるのがよろしいでしょう。