米語では、hの発音が特別な発音です。本来ならあるはずのないところに現れたり、本来発音すべきところで発音されずにいたり。ここでは省略発音と呼ばれるネイティブの発音における、消失する「h」について紹介します。
「I was thinking that perhaps today I’d make good on the promise I made you.」
perhapsは学校では、[pərˈhæps](パーハップス)と学びましたが、厳しい現実が机上の学問どおりに行かないのは世間の常です。例文を1億回聞き返そうが、「パーハップス」と発音していません。そう、やつらは「h」を省略するのがオシャレだと感じているのです。
[pərˈhæps] ⇒ [pərˈ(h)æps] ⇒ [prǽps](プレップス)
次の事例を見てみましょう。
「Mikuru. Come here. Have a seat!」
(カムヒアー)と学んできた「come here」ですが、ネイティブは「h」の発音を飛ばしがちなので、(カミアー)という表現のほうが近い発音になります。
「Go find yourself a good looking guy and let him walk you home from school.
Heck, go see a movie with him on Sunday or something.
Or, why don’t you try sports?
Get on one of the teams and give them hell out on the field.」
代名詞で代表されるhim, her, themなどは冒頭のhの発音は省略されて、それぞれ(イム)(アー)(エム)と省略されます。
※themは、もともと14世紀あたりでは、hemと標記されていたそうです。hの発音が省略されて(エム)と発音される流れは古英語の頃からあり、その発音だけが継承されていると考えてよいでしょう。
このように省エネ英語の場合は、hの発音は飛びがちで、彼奴らはそれがクールと考えているのです。まったく迷惑な話ですが、戦争に負けた我々は彼らが仕掛けた世界共通語に従わざるを得ません。ここは涙を呑んで、そういうもんだと知識レベルで習得しておきましょう。