前回のあらすじ)カントパーニから出立するも、ヤンキーにかつあげに会うゲリ雄。ぴょんぴょんとその場で飛び跳ねることを強要されるも返り討ちにする。旅路はようやく大きな分岐点である分かれ道に達する。
左の道は谷への下り坂。右の道は丘への上り坂が続きます。さぁ、どちらを選びますか、ゲリ雄?
ゲリ雄「右はどうだ?(Look right)」
右手の方は、いきなり聳え立つような森林が丘の上に立ちはだかり、その先は望みようにはありません。多い茂った木々の中に何が潜んでいるかわかりません。こちらは危険なルート。
uphill:上り坂
climbing:登攀、登山
eventually:最終的に(は)、結局は、ついに
leg:《海事》レッグ、レグ、区間◆1回のタックで進む直線の距離
ゲリ雄「じゃぁ、左はどうだ?(Look left)」
左の道は、川沿いの土手に沿った道が続きます。川を挟んで来た道を返すようにアナランドの外壁の北部に向かう道ですが、行く手の左手は川の土手に守られており、旅路の注意は、ほぼ行き手の見晴らしの良い右側に注力することが出来そうです。こちらは安全なルートです。
さぁ、どちらにしようか。そうヘタレのゲリ雄がそう考えると、近いところから「・・・・・・けて」という声が耳に届いてきます。すわ、何奴!?
seclude:〔場所を〕隔絶させる、遮断する
landscape:〔特定の土地の〕地形、地勢
backtracking:〔元来た道の〕引き返し
close at hand:すぐ手の届く所に
ゲリ雄「どこだ・・・?(look around)」
その声の主を探すため、ゲリ雄は周りを見回します。しかし、左を見ようが右を見ようがその声の主の姿はありません。
声の主「ここじゃぁ・・・ここじゃぁ・・・」
どうやらその声は、ゲリ雄が佇む大樹の上から聞こえるようです。
branch:枝、枝状のもの
wizened:しわくちゃの、しなびた、干からびた
calloused:〔皮膚が〕硬くなった、硬化した、たこのできた
feet:footの複数形
dangling:懸垂
ゲリ雄「そこに居るのは誰だ!(Who’s there?)」
ここで言うwho’sとは、who isの略です。すなわち、Who is there?(そこに居るのは誰?)という意味になります。Google翻訳でワンタップでその意味を引き出し、ゲリ雄はその頭上の人物に問いかけます。すると懐かしい挿絵と共に、木の上に爺が現れます。
爺「ここじゃぁ、だずげて、だずげて(Up ‘ere, ‘Elp, ‘Elp)」
歯が抜けた滑舌の悪い単語を並べて、ゲリ雄に助けを求める爺です。Script上は「’(アポロストフィ)」を使って、単語の発音がずれていることを表現しています。
boldly:力強く
‘ere:hereの省略形
feeble:〔音・声・光・効果などが〕弱い、かすかな
wiry:〔形状・硬さなどが〕針金のような
ぼろぼろな服を見にまとった枝のような手足をしたみすぼらしい爺が木の枝の上で降りれない子猫のように、ゲリ雄に助けを求めています。挿絵の左上にある、ブンブンと蜂が集る蜂の巣も気になります。さぁ、どうするゲリ雄?
ゲリ雄「何から隠れているんっすか?(What are you hiding from?)」
爺「忌々しいエルヴィンの奴らじゃ」
エルヴィンとは、このSteve Jacsonの世界に出てくる種族の一つです。ゴブリンやエルフ。その一つと考えていいでしょう。爺は続けます。爺の話では、なんとマンパンからアナランドの旅の途中ということです。その途中、そのエルヴィンに待ち伏せをされ、身包みをはがされ(rob someone blind)、あまつさえこの木の上に放置されたということです。老人の身では、自力で下に下りることさえできない、ということでゲリ雄に助けを求めています。どうします、ゲリ雄?
fearsome:恐ろしい、ものすごい、恐怖を覚えさせる
damned:〈話〉いまいましい、ひどく嫌な、忌まわしい
outpost:開拓地
waylay:〔襲うために人を〕待ち伏せる
rob someone blind :金を巻き上げる
生理的にも爺を助けるなどプライドが許しませんが、それではストーリーが進みませんので、ゲリ雄は爺を脳内で美少女に変換することにしました。
ゲリ雄「やれやれだぜ・・・(Climb up towards him)」
ゲリ雄は爺を助けようと木の枝に手をかけます。すると爺が抱いている上の細い枝もそれに合わせてぐらぐらと揺れ、爺子が「キャァ!(はぁと)キャァ!(はぁと)」と、小鳥のように鬱陶しく囀ります。
shriek:金切り声を出す、悲鳴を上げる、キャッと叫ぶ
in alarm:驚いて、心配して、一大事だとばかりに、不安を感じて
beehive:蜂の巣
ゲリ雄「待ってろ(Help the man down)」
ゲリ雄は、爺子の腰をひょいと掴みます。
爺子「キャァ!(はぁと)」
(grab+爺子+by+爺子の体の一部)で、爺子の腰を掴むことになります。決して、by the waistで、ゲリ雄が腰を使って艶かしく爺子を助けたわけではありません。さすがGoogle翻訳!イディオムもばっちりです。
ゲリ雄が爺子をお姫様だっこで地面まで降ろすと、爺子は乙女ちっくな表情でゲリ雄を見つめていましたが、はっと我に返ったのか、自らゲリ雄の腕(かいな)から飛び出して、照れ隠しなのか服についた埃を払いながら咳払いをします。
爺子「べ、別に助けてくれって頼んだわけじゃないからね」
脳内の中で変換されたキャラは、ツンデレのキャラクターのようです。
waist:胴[腰]のくびれ
brush down:〔ブラシでほこりを〕払い落とす
strain:神経をピリピリさせる
perturbed:不安な
remarkably:意外な[珍しい]ことに
break into bits:壊れて粉々になる
stumble:〔歩いているときに〕よろめく、つまずく
ゲリ雄「これからどうするんだ?(What will you do now?)」
爺子「ふん。これからアナランドに行くわ。つ、ついて来なくてもいいんだからね!」
そんな爺子の扱いに困っていると爺子はとっておきの乙女のグッズを出してきました。
爺子「もう。これお礼なんだからね。勘違いしないでよ。助けてくれてお礼よ!好きとか感情とか何もないんだからね!」
そういって、ゲリ雄の手の平に何かを押し付けてきます。脱ぎたての下着かとゲリ雄が期待して手の中を見ると、それはくしゃくしゃの紙切れでした。イオンのレシートか。そうゲリ雄が訝しげに開いて見たそれは・・・!
何と、魔術書の破れたページでじゃないですか!
suffice to say:大げさに言えば
press:~を押す[押し付ける]
torn:tearの過去分詞形:裂ける、破れる
ゲリ雄は震える手でそれを受け取り、食い入るようにみます。どうやら本物のようです。ゲリ雄が所有している魔術書から破られたページがないことを見ると、別の魔術書から破られたページと見受けられます。となると、アナランド以外の国の魔術機関が有する魔術体系が、このページからも読み取ることが出来るはずです。早速、item欄から魔術書のページをチェックしましょう。
item欄より、Magical itemsを選びます。
一番の上にあるのが、先ほど爺子から貰ったspell book pageに値します。早速、Examineしましょう。
examine:〔詳細に〕~を観察する[調べる]
ページは破れて、呪文全体の効果は分かりませんが、「CA」という文字が読み取れます。この魔術書の魔術体系もアルファベットを3文字並べて詠唱するスタイルは同じようです。この旅の途中、もう半ページを手に入れればこの魔術書のページは完成することになるでしょう。これは凄いですよ、ゲリ雄。
そんな魔術書のページと暮れた爺子と別れます。
爺子「し、信じられない! こんなか弱い女の子を一人放置するなんて、あんた、頭沸いてんじゃないの?」
そんな罵倒を脳内で再生しながら、ゲリ雄は爺子が登っていた木を見上げます。ブンブンと蜂が飛び交うhive(蜂の巣)を見上げながら頬を赤らめます。そうです。ゲリ雄は、蜂の巣フェチなのです!
爺子「師ね! 呪われて氏ね。視ねじゃなくて死ね!」
その場を立ち去る爺子の感謝の言葉を受けながら、ゲリ雄は再び木に登り始めます。
gratitude:感謝、感謝の気持ち、報恩の念
結局、6日目のブログですら、最初の村カントパーニから離れることすらできません。こんなペースで進んでいては、果たしてマンパンまで辿り着くのは何時になるのでしょうか?でもいいのです。英単語を一つ一つかみ締めながら、前へ進めばよいのです。英語の多読とは、如何に英語に触れることを長く続けることが出来るかという試みだからです。さぁ、ゲリ雄。ゆっくりと蜂の巣をくまのプーさんよろしく、堪能しようじゃないですか。
次回Sorcery!攻略 8日目「蜂の巣」に続く