英単語は音像で覚える
「理論編」「基礎編」では、英単語を覚えるためのプロセスについて説明をしてきました。
ここで、その英単語という情報を脳に印象づけるための、もう一つの入力ルートを説明します。それは「音像」となります。
よく「英語は歌で覚えろ」という学習方法がありますが、耳から得る情報はかなり効率よく脳に留まります。単語など、ネイティブどおりに発音すら出来ませんので、正しい発音の音声こそ、耳からインプットすべきです。
池田和弘先生による「Super Repeat方式」という耳から音像による英単語を入力する方法は、かなり効果的であり実践的です。これは、英単語を「英語⇒日本語、英語⇒日本語」と2回反復した音源を、ひたすら聞く記憶方法です。このSuper Repeat方式の優れた点は、音声から流れる強制的なインプットにより、①受動的に脳に印象づけることが可能。②意味記憶を経ず、音像により記憶が可能。という点につきます。
意味記憶とは「この単語の意味は○○で~」という1対1で関連付けた情報となりますが、「英語⇒日本語」という1セットの無機質な情報をそのまま「音像」で印象付けることが出来ます。つまり言語系を解する右脳系を使わず、運動系による左脳でむりやり反射で覚えてしまう感覚に近いと思います。
ラノ単では、エピソード記憶を主とした教材をメインとしておりますので、このSuper Repeat方式に加えて、エピソードを加えた音源教材を準備することになります。
まずは、ラノ単学習で公開しているコンテンツの音源をお聞きください。
ラノ単 音声教材の仕組み
ひと聞きして頂ければ、ラノ単用の音声教材の仕組みをご理解いただけたかと思います。つまり自作のラノベに対して、そのストーリーに合わせたバックミュージックと、話の展開に合わせた音響(サウンドエフェクト)を交えることにより、その物語の展開を引き立たせるとともに、Super Repeat方式に沿った「英語⇒日本語」を一つの音像として、脳にインプットさせるのです。
物語を連想させながら、意味記憶を経ず、音像として脳に印象づける。
特に、物語の佳境を迎える部分や、盛り上がりの部分に対する場面の脳の関心度というのが関連して来ます。宿命のライバルとの戦いの場面、ヒロインへの告白シーン、飛び交う銃弾によるエキサイティングな場面。そういう盛り上がる場面で、繰り返し読み出される「英語⇒日本語」の音像は、特に知らず知らずのうちに、脳に深い印象を刻むことが出来ます。
その盛り上がりに必要なのが、裏で流れる音源と音響(サウンドエフェクト)の組み合わせが大事となります。音源については、あなたの大好きなゲームやアニメのOST(オリジナル・サウンド・トラック)などを購入し、あなた自身の世界で一つだけの音声教材を仕上げればいいでしょう。
つまり、最高のあなたの音声教材を作成するためには、あなた自身の教養と見識を広げる必要があります。感動するゲーム、アニメ。そういった名作による、あなたの心に深く刻み込まれた感情。その時に流れていたバックミュージックなどを聞けば、その感動した青臭いその時の感情を呼び戻してくれることでしょう。そういった感情の時にこそ、脳は懸命に擬似体験として情報を脳に覚えこませようとするのです。
参考書を開いて、英語を勉強するような無駄なことをする暇があれば、名作と呼ばれるゲームやアニメをプレイしろ、というのは、こういう見聞を広げるためなのです。娯楽でやってきたゲームやアニメ鑑賞などは、人生にとってコンマ1秒も無駄なことではありません。あなたの人格を形成するのに必要な肥やしであったとも言えるでしょう。
今ノートに、あなたが感動したゲームやアニメの一覧を書き出してみましょう。そして、Amazonでその名作たちのサウンドトラックをすぐにクリックして購入するのです。そして、その名作たちの曲を背景に、あなたの欲望を呪いのように吐き出すような物語を綴っていけば、他人にはただの便所の落書きに見えようが、あなたにとっては命に刺さるような教材に仕上がることこの上なしです。そんな教材に対する脳の反応は、計り知れない興味を示すことになるでしょう。
また音声教材を作る時には、音響(サウンドエフェクト)も大事になります。物語の起伏を知らせるための大事な標(しるべ)のようなエッセンスとなるからです。厨ニラノベであれば、剣による戦い、銃撃戦、割れるガラスに木霊する悲鳴。シーンシーンを盛り上げるための音響には、事欠きません。音声教材の中にそういった音響を加えることにより、単調な音声教材の中で、脳が「ぉお!?」と思う場面に反応し、必然的に注意がそちらに向くようになります。そういう効果があるのも、本ラノ単で公開しているコンテンツで確認してみれば良いでしょう。
音声教材の作り方
では、本サイトで効果しているような音声教材をどのように作成すればよいのかを紹介します。
必要なのは、以下の材料となります。
1)あなたが執筆するオリジナル・ラノベ
2)あなたが過去感銘を受けたゲーム・アニメのサントラ音源
3)英語用音声/日本語用音声
4)音響用のサウンドエフェクト
5)ミキサー用ソフトウェア「Audacity」
1)については、欲望の赴くままにあなた自身で書いて頂く他ありません。どこに公開するわけでもありませんので、あなたの思うがまま、書き綴っていただければと思います。
2)についても、あなたが思うコレという作品のサントラを手に入れて頂ければ結構です。
3)についても、巷では自動読み上げサイトというのが無数に存在しております。マイク片手に自分で声を充てても、まったく問題ありません。自分で英語を発音する試みとして、自身で発声するというのも非常に大事です。私も当初は、自前で声を充てており、そのお陰で英語の発音記号が読めるようになりました。無味乾燥なロボットにより読み上げよりも、日ごろから慣れ親しんでいる自分の声の方が、脳としては拒絶反応は起こさないことは火を見るより明らかです。
4)についても、インターネット上にはフリーの音響音源がたくさんあります。それをダウンロードして利用すれば、きっとあなたのラノベの場面にも合う音響音源があるはずです。
以上、1)~4)の材料を揃えて、初めて1つの音源教材に仕上げていくのが5)ミキサー用ソフトウェア「Audacity」を使った音源作成作業となります。
Audacityはフリーソフトながら、異なる音源をこのようにミキシングできるツールになります。「3)英語用音声/日本語用音声」に、「2)あなたが過去感銘を受けたゲーム・アニメのサントラ音源」をバックミュージックに充てて、ストーリー場面の必要なところで、「4)音響用のサウンドエフェクト」を充てていくことが、このフリーソフト「Audacity」で実施することが出来ます。
以上、ラノ単のエピソード記憶をより深く、効果的なものにするためには、音像による記憶が有効的です。オリジナルラノベに音声を充てる作業は大変ですが、出来上がった音声教材は身をよじるような恥ずかしさにまみれた物に仕上がること請け合いです。ラノ単理論によるあなたオリジナルの教材作成を志すのであれば、この音声教材にまで是非手を出して頂きたいと思います。
本サイトで公開しているオリジナルコンテンツは、基本この音声教材も公開して行きますので、この音声教材の効果と雰囲気を味わって頂ければ幸いです。