前回のあらすじ)カントパーニの村の道具屋にてアイテムを購入するため、金貨24枚をじゃらりじゃらりと手のひらで揉みながら、卑下た笑みを浮かべるゲリ雄。
ゲリ雄は、まず目に止まった不気味な色のフラスコを手にします。RPGにおける属に言うポーションです。
herbalist:薬草医
potion:薬、一服
ゲリ雄はまずポーションを手にします。実は万年下痢のゲリ雄。胃腸のケアには非常に神経質です。こういった液体系の薬に関しては、目がありません。値段は、4ゴールドです。持ち合わせから行けば、余裕で支払えます。行きましょう、ゲリ雄。
thick:ドロッとした、粘度がある
purple:暗い紫色をした
ゲリ雄「それ、何に使うん?(What does it do?)」
ヘタレのゲリ雄は、物を買うにしても慎重です。素直に金を支払うことはありません。道具屋のおやじは、ニコニコとしながら、「俺が売るのは天下一品だよ」と八百屋のおやじのような台詞を繰り返します。
assure:〔人に〕~を保証する
ゲリ雄「くれ・・・(I will take it.)」
ゲリ雄は、震える手で金貨4枚を渡します。左上の金貨の持ち数が24枚から20枚に減っています。ゲリ雄はフラスコを手に取り、「Smell it」の選択肢を選びます。
certain:〔人が〕~を確信している、~に疑いを持たない
ゲリ雄「ぅげ・・・げぇぇ! ろぱぁ!!ろぱぁぁぁ!!」
ゲリ雄がゲロ雄にクラスチェンジしました。つんと鼻につく匂いがゲリ雄の嘔吐中枢を刺激しました。何年ものかもわらぬこのハーブの薬草。飲む勇気がどうしても湧きませんが、これはDOC(ベホイミ)の魔法のアイテムとして活用できることが期待できます。ゲロ雄は、口元の胃液を拭いながら、次のアイテムに食指を動かします。なにせ、まだ20金貨もあるのです。
ゲロ雄は、次いで「A musical pipe」を手に取ります。
slip:〔結び目などを〕ほどく、外す
stopper:栓
sniff:匂いを嗅ぐこと
appleling:〔物事が〕魅力的な、好ましい
手に取った笛は竹製で二股に分かれた小さな物です。おやじの説明では「魔法に使えるかわからない」とありますが、これはJIG(敵を躍らせる)の魔法に役立つ魔法アイテムとして活用できそうです。ゲロ雄は、ぅっぷという胃液の匂いを口元から漂わせながら、購入する前にそれを口にして「Play it」を試みます。それを見て、道具屋のおやじの頬が少し戦慄きます。
pick off:摘み取る
split:分割した、分裂した
reed:《音楽》アシ笛
ゲロ雄が笛を唇に充てて吹くと、つぅーと胃液の刺激臭が鼻を通り、鼻腔が痺れてきます。縦笛の筒からは、つぅーと口から垂れた黄色い胃液が糸を立てて、地面に垂れていきます。音色自体、そう気に入るものでなかったので、ゲロ雄はその縦笛を道具屋のおやじに返そうとします。
ゲロ雄「やっぱ、いい・・・(Rerturn it to…)」
すると、道具屋のおやじはこの世のものは思えないほどの顔で、戦慄きながらゲロ雄を凝視します。その顔を見て、ゲロ雄は思わず。
ゲロ雄「ぉぉ。買うよ、買う(Buy the pipe)」
と答えてしまいます。
place:~を置く、セットする
ゲロ雄は、3ゴールドをおやじで支払い、縦笛を鞄へいれます。この縦笛を使って、JIGの魔法を使い、このおやじを躍らせることも考えますが、脂の乗った中年の踊りを見ても何も心はときめきません。旅の途中、女子高生に出会ったら是非、JIGの魔法を使ってみようと、にやり一人決意をするゲロ雄です。さぁ、次は何を買いましょう?
ゲリ雄「これを見せてくれ」
ゲリ雄が次いで選んだのは「A Leather Bag」です。原作でプレイしたことのあるゲリ雄は、この中身は既に知っています。Sorceryお得意の魔法アイテム、それも「歯」です。皮の鞄も含めて、3ゴールドです。
content:〔容器などの〕内容物、中身
rattle:ガタガタいう[鳴る・揺れる]
ゲリ雄はその歯を確かめるべく、その皮の鞄を開けようとします。しかし、おやじがゲリ雄の手を掴んでそれを制します。互いの手が触れて、互いに頬を赤らめるゲリ雄とおやじ。そんなアクシデントにときめきながらも、ゲリ雄は叩き込むようにして言います。
can’t afford to:〔経済的または時間的に〕~する余裕がない、~するわけにはいかない
接続詞whileは、①「~であるいっぽう、…」という対比・対照の意味、文脈によっては②「~けれども」= though と訳した方がよい場合もあります。
ゲリ雄「貴様ァ・・・ 担ごうってワケじゃねェよなぁ・・・(Are you trying to trick me?)」
「騙される」それが、ゲリ雄の日常でした。ましては、ここはアナランドを超えた外の世界。警戒に警戒を重ねても、やり過ぎということにはなりません。おやじは戸惑いながら、騙すなんてとんでもないとその場を繕います。
fool‘s game:馬鹿げた考え
このSorceryの世界では、動物の「歯」など、魔法使いのみが必要するアイテムです。GOBの魔法はゴブリンの歯を使ってゴブリンを召喚、YOBの魔法はジャイアントの歯を使ってジャイアントを召喚、TOBの魔法は千葉真一の歯を使って千葉真一を召喚することが出来ます。この皮の鞄にレアキャラの歯があることを祈って、結局ガチャ感覚で鞄を購入することを決めたゲリ雄。3ゴールドを渡して、その鞄をひったくります。
中身はあとでゆっくりと見ましょう。さぁ、爆買いはまだ続きます。次は何を買いましょうか?
snatch:〔物や人を急に〕つかむ、しがみつく
wave a hand:手を振る
take one’s time:〔自分の好きなだけ時間をかけて〕マイペースでやる
ゲリ雄「武器を見せてくれ・・・」
さぁ、待ちに待った本命について、ゲリ雄は食指を動かします。武器を要求するゲリ雄の頬骨がシャープに光ります。その面持ちを見て、道具屋のおやじはゴクリと唾を飲み込みますが、彼も商人です。悪銭も銭。悪党も彼にとっては大事な顧客です。たとえ相手が悪魔であっても、物を売るのが彼の生業なのです。そして、その彼が取り出した武器を見て、ゲリ雄の表情が一変します。一つは「幅広の剣(+1)」、もう一つは「意匠のついた斧(-1)」です。
ゲリ雄「おおおお斧を見せてくれ!(Look at the axe)」
そうです。ゲリ雄は斧フェチなのです。
size up:〔基準などに〕達する
fearsome:恐ろしい、ものすごい、恐怖を覚えさせる
deadly:致命的な、致死の、命取りの
ゲリ雄「こ、これは・・・」
ずしりと刀身が思い斧は、手にしたゲリ雄に不思議な感覚を与えてくれます。斧フェチだからこそわかるのです。斧の柄の部分が黒く茶色くくすんでいます。きっと以前の持ち主が、こよなくこの斧を愛用していた証なのだと感じます。7ゴールド。頬を赤らめるゲリ雄に何かを感じ取ったのか、道具屋のおやじがこれ以上ない金額を吹っかけて来ます。これは「かけひき」です。ゲリ雄はこの斧を手に入れるべき、敢えて「Attempt to haggle」を選択します。
haggle:値切る、議論する
ゲリ雄「何だとぉ。高いんじゃないか、この野郎」
ゲリ雄の要求に屈して、道具屋のおやじが遜ってくるのを期待していましたが、その対応は逆でした。5ゴールドにするよう要求すると、おやじに鼻で笑われます。加えて、この斧は太古より様々な戦物記に登場した有名な斧だと主張します。何故、そんな有名な斧がこんな寂れた村で7ゴールド程度で売っているのかは謎ですが、そんなこともわからないお前は無学だと、逆にゲリ雄を攻撃して来ます。おまえなんて、メリカリで出品した額の半額以下で値引き交渉を初対面にも関わらずやってくる基地外と同じだ!とまで罵ってきます。そして極めつけは、「9ゴールド」と値上げまでしてくる始末です。これはもう、取り付く島もありません。ゲリ雄、この斧はきっぱりと諦めましょう。
ancient:古代の、古くからの
tale:〔実際または空想の出来事に関する〕話、物語
ignorance:無知、無教育
ゲリ雄「わかった。買おう」
えぇーーー! 値下げを試みて、7ゴールドから9ゴールドに逆に値上げされたのにも関わらず、購入を決意するゲリ雄。
ゲリ雄「太古より様々な戦物記か・・・」
ちょ。ゲリ雄、あなた騙されていますよ。斧フェチであるゲリ雄は、値切られて逆に怒るおやじの姿を見て、逆に何かを感じるところがあったのかもしれませんが、交渉に失敗したことも気にせずほくほくとその斧を手にします。
さぁ、買い物も終わりです。おやじに別れを告げて、小屋を出るゲリ雄。そして、小屋の外で買った品々を手にとって確かめ始めます。買った品々とは、ポーション(4ゴールド)、笛(3ゴールド)、歯(3ゴールド)、斧(9ゴールド)、計4品19ゴールドです。
pack away:〔物を箱などに〕しまい込む
once more:もう一度(繰り返して)
get to one’s feet:立ち上がる
take leave of:~に別れを告げる
ゲリ雄「ふふ・・・」
斧フェチのゲリ雄は早速、先ほど購った伝説の斧を取り出します。ふふ・・・。斧には痛いポエムが彫られていますが、それがまたこの斧の胡散臭さを引き立ててくれます。ゲリ雄は、震える手で斧を持ちながら、ペロリとその刀身を舌で舐め始めます。
ゲリ雄「はぁはぁ・・・」
流石、斧フェチ。まったく理解できません。しばし恍惚とするゲリ雄はそのままに、次の購入した品を見ることにしましょう。
tilt:傾ける
carving:彫刻
craft:〔職人が手作業で〕~を作る
まずは、歯の入った皮の鞄です。ガチャのようで中々緊張しましね。開けてみると、あっと驚くような歯がぎっちりと詰まっています。凄いですよ、見てください。ゲリ雄。
ゲリ雄「はぁはぁ・・・(ぺろぺろ)」
駄目です。ゲリ雄は斧に夢中です。話が進みませんので、こちらで確認するようにしましょう。
猿の歯:3本、ゴブリン:4本、スナッチキャット:2本、ジャイアント:1本、千葉真一:0本
凄いです。かなりの数の動物たちの歯がぎっしりと詰まっています。歯フェチなら、もう興奮モノでしょう。ね、ゲリ雄。
ゲリ雄「はぁはぁ・・・(シュッシュッ)」
ゲリ雄には、歯フェチの属性はなかったようです。ゲリ雄は放っておいて、残りのアイテムも確認することにします。
drawstring:〔袋の口・衣服の腰部などを締めるための〕引きひも
sift through:~をより分ける、~をふるいにかける、取捨選択する
quite a:すごい、相当な、なかなかの、多くの、本当に素晴らしい
assortment:取り合わせたもの、詰め合わせ
molar:大臼歯(の)
ripe:熟した、熟れた
さて、このポーションはブルーベリーで作られた一服のものです。服用量は1回分です。回復の魔法DOC(べホイミ)に利用することが出来ます。Socery!では魔法を使用するにもスタミナを消費します。また現在ゲリ雄は腸チフスの病にかかっており、本来MAX20あるスタミナが10まで下がっている状況です。そして、保持食料もゼロ。崖っぷちの状況の中、このような回復アイテムは嬉しい限りです。ね、ゲリ雄。
ゲリ雄(賢者モード)「あぁ・・・」
どうやら斧フェチのゲリ雄も得心した模様です。
take a draught :飲み干す
in place of:~の代わりに、~の代理で
rest:休息、休養、睡眠、眠り、静養、保養
さぁ爆買いも終わりました。重くなったナップザックを背負い、ゲリ雄はカントパーニの村を後にします。
head out:〈話〉出発する
カントパーニには、他には宿屋などもあったはずですが、ゲームブック的な進行上、両方の店を一緒に廻る選択肢はこのカントパーニにはないようです。現れた青旗は「Past Cantopani」という標記です。どちらにせよ、アナランドから出発した最初の村カントパーニをようやく過ぎたことになります。ゲリ雄は頬骨で風を切りながら、カントパーニを後にします。しかし、そのゲリ雄の前に立ちはだかる影が現れるのです。
Sorcery!攻略 6日目「旅路」に続く
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