「I don’t have all day.」(急ぎなさい!)
さて場面は変わって、まどか(中2)の担任教師・早乙女和子(34歳、独身)、まどかの母・鹿目詢子とは学生時代からの友人です。実はAnime英会話の教材を使って、英文を学ぶ際には、実はこういった意味のないような関連情報こそ大事なのです。肝心の英文は忘れてしまっても、案外、「嗚呼、まどかの担任って、34歳で独身だったのね。だからああやって必死こいて婚活してんのね。まどかの母親とは同級生だったんだ」という、あなたの人生にとって1mmのプラスにもならない情報は、あなたが数十年後、病院のベットの上で臨終する今際のときに天井を見つめながらも、「和子先生、34歳、独身ハァハァ」と案外覚えているようなものなのです。数時間かけて覚えようとした英単語は、30分後には忘れている、のにも関わらず!です。
さて、そんなどうでもいい情報源である和子先生ですが、「くしゃがら」のように忘れられないのであれば、その記憶のアンカーを利用して彼女から情報の発信源になって貰いましょう。
僅か20秒ほどの動画ですが、和子先生がマシンガントークのようにイディオムを連発してくれています。和子先生に萌えながら、彼女の声で脳内に焼き付けましょう。
「Eyes front ears open!」(心して聞くように!)
「I don’t have all day.」(急ぎなさい!)
「goes without saying that~」(~は言うまでもなく)
2つ目のイディオムは少し解説します。これは、相手を急かせるフレーズです。自分は急いでいる場合、相手にあることを早くやって欲しい時に使います。朝の限られたHRの時間内で、若い男子生徒からの言質を取ることが、独身34歳の和子先生の精神の安定を保つためには必要な儀式だったのかもしれません。そのため、急遽、独身34歳の彼女の口から出た言葉が、
「I don’t have all day.」(急ぎなさい!)
なのです。「all day」なので、てめぇ如きのために「1日」時間をかけてられねぇんだよ、だから早くしやがれ的なニュアンスなのでしょう。
最後に、和子先生と彼氏との騒動の種となった「目玉焼き」ですが、面白い表現なので紹介しておきましょう。「sunny–side up」は、片面焼きで、黄身は半熟です。彼氏は、半熟が好きなのでしょう。私も好きです、半熟英雄(ヒーロー)。「sunny」は「太陽の」という意味がありますが、卵の黄身が太陽のように見えることからこのように表現しています。欧米人は、単語の命名の仕方がシャレオツですね。日本語なんざ、「目玉」ですよ、「目玉」。日本人なんざに任せたら、珈琲なんぞは「当て字」ですからね。
さて、件の両面焼きは「sunny-side down」と表現します。オーストラリアなどで用いられることがある表現。アメリカでは「over easy」と呼ぶのが一般的。何故、「over easy」なのかと言うと、目玉焼きの上の部分も軽く焼くということで、上方面(over)を軽く(easy)ってことですね。嗚呼、ボキも和子先生にover easyして欲しいっ!ハァハァ。